相続開始日と開始地のルールについて

相続というのは誰かの意思でスタートするわけではありません。相続の開始とはどの時点を指すのか、そして相続の開始地はどこになるのか、これらは相続について勉強をしてないとわからない問題です。

今回は、相続開始日と開始地のルールについて詳しくご説明してきます。

相続は人の死亡によって開始する

相続というのは、人の死亡によって開始します(民法882条)。つまり、相続開始日というのは、親から財産を譲り受けた日でもないし、遺産分割協議がまとまった日でもありません。被相続人が亡くなったその瞬間から相続は開始しているのです。

相続には期限が決められた手続きが数多くあるため、相続開始日を正確に把握することは、その後の手続きを進める上でも大変重要です。たとえば、相続放棄であれば、相続開始日(相続開始を知った日)から3ヶ月以内に手続きを行わなければなりませんし(民法915条1項)、相続税の納税も10ヶ月以内と定められています。

ご家族が亡くなり悲しんでいる間も、期限は日を追うごとに迫っていきます。相続開始日と相続手続きの期限については、必ず頭の中に入れておくようにしましょう。

相続開始地は被相続人の最後の住所

相続手続きの多くは、相続開始地を管轄とする家庭裁判所や税務署にて手続きを行います。では、相続開始地とはどこのことを指しているのでしょうか。

相続開始地は、被相続人の最後の住所地と定められています(民法883条)。稀に本籍地と混同されている方がいらっしゃいますが、住所地と本籍地は別物なので注意です。

なお、ここでいう住所地というのは、なにも住民票が置いてあるという意味ではありません。日本では原則的に、引っ越しをした際は住民票を移さなければならないとされていますが、中には厳密に移転の手続きを行っていない方がいるのも事実です。よって、必ずしも住民票記載の住所が相続開始地になるのではなく、被相続人が死亡する直前まで住んでいた場所が、相続開始地になることもあるのだと覚えておいてください。

 
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死亡が確認できない場合はどうなるのか?

少しイレギュラーではありますが、現実には死亡が確認されない事態も想定されます。

たとえば、なんらかの事情でまったくの音信不通となってしまし、行方が一切わからない状態になっているといったケースです。この場合、7年以上生死不明であるとして、「失踪宣告」という手続きにて死亡が認定されます(民法30条1項)。よって、相続開始日は失踪宣告が下った日です。

失踪宣告の他に、「認定死亡」という制度もあります。認定死亡とは、飛行機の墜落事故などのように、死亡自体は確認されないものの、まず生き残っている可能性がない場合に警察や海上保安庁などが死亡を認定する制度です。親族から認定死亡を申し出ることも可能です。

一方で、死亡が認定されない可能性が高いのが脳死です。脳死状態というのは民法上の死亡に該当していません。実際に心臓が止まるなどしない限り、相続は発生しないことになっています。

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